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写真つきレビューはなぜ効くのか|Yelp 740万件の分析が示した条件

写真を添えたレビューは「参考になった」を集めやすい。ただし条件があります。Yelp 740万件とAmazon 9.7万件を分析した2024年の研究2本から、写真が効くとき・効かないときを整理し、良い点と悪い点を両方書いたレビューの強さも紹介します。

こえポスト編集部

お客様の声・口コミ活用の専門家チーム

この記事でわかること

お客様の声に写真を添えると説得力が増す——これは経験的によく言われます。

では、どんな写真を、どういう文章と組み合わせたときに効くのか。ここまで踏み込んで答えている情報は、日本語ではあまり見かけません。

2024年、この問いに大規模データで答えた研究が2本、主要なマーケティング誌に掲載されました。合わせて800万件を超えるレビューの分析です。結論を先に書くと、写真は無条件に効くわけではありません。効く条件がはっきりしています。

この記事では、その条件を研究にもとづいて整理します。加えて、写真と並んで説得力を左右する「良い点と悪い点の両方を書く」ことの効果についても紹介します。

研究1:写真と文章が「合っている」ほど効く(Yelp 740万件)

誰が、何を調べたか

Gizem Ceylan、Kristin Diehl、Davide Proserpio による「Words Meet Photos: When and Why Photos Increase Review Helpfulness(言葉が写真と出会うとき:写真はいつ、なぜレビューを参考にさせるのか)」。Journal of Marketing Research 誌 61巻1号(2024年)に掲載されました。

対象は、ロサンゼルスとボストンのレストランについて16年間に書かれた Yelp のレビュー740万件と、それに紐づく写真350万枚です。

測ったのは、そのレビューが他のユーザーから「参考になった(helpful)」と投票された数です。

結果

  • 全体として、写真つきのレビューは写真なしより多くの「参考になった」票を集めた
  • 効果を左右するのは、写真と本文の内容がどれだけ一致しているか。一致度が高いほど効果が大きい
  • 写真を増やすだけでは効果は上がらない。本文で触れている話題に対応する写真でなければ意味がない
  • 本文が読みづらい、画像の品質が低いなど、処理のしやすさが損なわれると効果は弱まる

「2つの話題に2枚の写真」

論文が示した具体的なパターンが分かりやすいので紹介します。

本文で2つの話題に触れ、その2つそれぞれに対応する写真が1枚ずつある——この組み合わせが最も「参考になった」を集めました。一方、話題を増やさずに写真だけ追加しても効果はありませんでした。

なぜかというと、論文の説明では処理のしやすさ(ease of processing)が鍵です。「パスタが絶品だった」という文章の隣にパスタの写真があれば、読み手は苦労なく情景を理解できる。文章と写真が食い違っていると、かえって頭を使わせることになる。

実務への翻訳

つまり、こういうことです。

| やりがちなこと | 研究が示すこと | |---|---| | とりあえず店舗の外観写真を添える | 本文が施術の話なら、外観写真は噛み合わない | | 写真を5枚並べる | 本文で触れていない写真は効果に寄与しない | | 高評価だから写真は不要と考える | 写真つきのほうが参考にされる |

お客様の声に写真を添えるなら、本文で語られている内容そのものを写した1〜2枚が最も効く、というのが素直な読み方です。

研究2:写真が効く相手には条件がある(Amazon 9.7万件)

誰が、何を調べたか

Raoul V. Kübler、Lara Lobschat、Lina Welke、Hugo van der Meij による「The effect of review images on review helpfulness: A contingency approach(レビュー画像がレビューの有用性に与える影響:条件適合アプローチ)」。Journal of Retailing 誌 100巻1号(2024年)に掲載されました。

Amazon のレビュー9万7千件以上と、そのうち6千枚以上の画像を分析しています。

結果

論文が示した「画像を添えてもらう価値が高い場面」は次のとおりです。

  • 評価が極端に高いとき
  • 投稿者の評判(reputation)が高いとき
  • 快楽的(hedonic)な商品や、体験型の商品のとき

さらに画像の中身についても分析しています。

  • 商品が実際に使われている場面を写した画像は、有用性を高める
  • この効果は、本文が長いレビューでとくに強い

「★5だからこそ写真を」

1つめの発見が示唆的です。評価が極端に高いときほど、画像を添えてもらう価値が高い

理由は想像がつきます。絶賛だけの文章は疑われやすい。そこに実物の写真があれば、「本当に使った人が書いている」という裏づけになる。

これは前の記事で紹介したAI生成レビューの見抜けなさとも噛み合います。文面だけでは真偽が判断できない時代に、画像は数少ない実在性の手がかりになります。

「体験型サービス」に効く

3つめの発見も、日本の小規模事業者に直結します。

快楽的・体験型の商材——美容室、エステ、飲食、旅行、習い事——では、画像の効果が大きい。これらはまさに、こえポストを使う事業者の中心的な業種です。

一方、スペックで判断できる実用的な商材では、画像の追加効果は相対的に小さくなります。

研究3:良い点と悪い点を両方書いたレビューは参考にされる

写真と並んで、レビューの説得力を左右するのが書き方です。

誰が、何を調べたか

Bernhard Lutz、Nicolas Pröllochs、Dirk Neumann による「Understanding the Role of Two-Sided Argumentation in Online Consumer Reviews: A Language-Based Perspective(オンライン消費者レビューにおける両面提示の役割)」。2018年に arXiv で公開された研究です。

Amazon の大規模なレビュー本文を、テキスト解析の手法で分析しています。

結果

  • 両面提示(良い点と悪い点の両方に触れる)のレビューは、有用性が有意に高い
  • この効果は、ポジティブなレビューでとくに強い
  • 感情的な言葉が多いと、両面提示の効果は弱まる

実務への翻訳

「良いことだけ書いてもらう」という発想は、この研究に照らすと逆効果です。

★5をつけた人が、あえて一点だけ気になったところにも触れている——このパターンが最も参考にされます。「施術は最高でしたが、駅から少し歩きます」のような。

しかも3つめの発見が重要です。感情的な言葉が多いと効果が薄れる。「最高すぎて感動しました!」よりも、淡々と事実を書いたレビューのほうが伝わるということです。

適正なネガティブ比率についてはネガティブ口コミの割合データも合わせてどうぞ。

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3本をまとめると、こう集めればいい

研究から導ける、お客様の声の集め方は次のとおりです。

1. 写真は「本文の内容そのもの」を写す

外観やロゴではなく、本文で語られていることを写す。施術の話なら仕上がりの写真、料理の話ならその皿の写真。

写真の枚数を増やすより、話題と写真を1対1で対応させるほうが効きます。

2. 高評価の声にこそ写真を頼む

「★5をつけてくれた人には、お礼だけ言って終わり」はもったいない。研究2に従えば、そういう人にこそ写真をお願いする価値があります

3. 体験型サービスなら優先度を上げる

美容、飲食、旅行、習い事といった体験型の業種では、写真の効果が相対的に大きい。撮影のお願いを仕組みに組み込む価値があります。

具体的な撮り方はお客様の声に添える写真の撮り方・見せ方ガイドにまとめています。

4. 「気になった点も一つ教えてください」と聞く

両面提示の効果を狙うなら、質問の作り方で誘導できます。

「ご満足いただけましたか」だけでは片面しか集まりません。「もう少しこうだったら、という点があれば教えてください」という質問を1つ足すだけで、両面提示のレビューが集まりやすくなります。

質問設計の考え方はアンケート設計のコツで扱っています。

5. 感情より事実を引き出す

「最高でした!」を集めても効果は薄い。「どんなことで困っていて、どう変わったか」を聞くほうが、事実ベースの文章が集まります。

この研究をそのまま信じてはいけない部分

測っているのは「参考になった票」であって、売上ではありません。 研究1と2が測ったのは、他のユーザーが押した「helpful」ボタンです。参考にされたレビューが実際に購入や来店につながったかまでは、これらの研究は示していません。

プラットフォームが違います。 Yelp と Amazon の話です。自社サイトに掲載するお客様の声には「参考になった」ボタンがないので、状況が異なります。

研究3は査読前のプレプリントです。 arXiv 公開のもので、論文誌への掲載状況は確認していません。

すべて海外のデータです。 日本語のレビュー、日本の消費者での再現は確認されていません。

それでも、「写真は本文と噛み合ってこそ効く」「両面提示は信頼される」という原理は、プラットフォームを超えて応用が利く話です。

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こえポストのフォームは、上の5点を実装しやすい設計になっています。

  • カスタム質問を追加できるので、「気になった点」を聞く質問を1つ足せる
  • 業種別の質問テンプレートが用意されており、事実ベースの回答を引き出しやすい
  • 集まった声はお名前・肩書き・利用時期を添えて掲載できる
  • 掲載する声は承認制なので、内容を確認してから公開できる
  • スタンダードプラン以上では、集まった声をSNS投稿用の画像にも変換できる

無料プランでも累計10件まで集められます。まずは質問を1つ足すところから試してみてください。

まとめ

  • Yelp 740万件の分析では、写真と本文の内容が一致しているほど、レビューが参考にされる。写真を増やすだけでは効果がない
  • Amazon 9.7万件の分析では、評価が極端に高いとき、投稿者の評判が高いとき、体験型の商材のときに画像の価値が高かった
  • 商品が使われている場面の画像が効き、長い本文と組み合わさるとさらに強い
  • 良い点と悪い点の両方に触れたレビューは有用性が高く、とくに高評価のレビューでその効果が大きい。感情的な言葉が多いと効果は薄れる
  • ただしこれらが測っているのは「参考になった票」であり、売上への効果を直接示したものではない

出典

  • Gizem Ceylan, Kristin Diehl, Davide Proserpio (2024). Words Meet Photos: When and Why Photos Increase Review Helpfulness. Journal of Marketing Research, 61(1), 5–26. DOI: 10.1177/00222437231169711. SAGE / American Marketing Association による解説
  • Raoul V. Kübler, Lara Lobschat, Lina Welke, Hugo van der Meij (2024). The effect of review images on review helpfulness: A contingency approach. Journal of Retailing, 100(1), 5–23. DOI: 10.1016/j.jretai.2023.09.001. ScienceDirect
  • Bernhard Lutz, Nicolas Pröllochs, Dirk Neumann (2018). Understanding the Role of Two-Sided Argumentation in Online Consumer Reviews: A Language-Based Perspective. arXiv:1810.10942. arXiv

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この記事を書いた人

こえポスト編集部

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